ARK  where the unknown is revealed

 

K's blog / 1st Floor : Diary

(K's blog/ Diary)【8】K'sギャラリー(仮)の細道①~ウサギ小屋にもピクチャーレールを~

2017/09/04

 

 
 みなさま、こんにちは。台風15号がうろうろしていた時以来、東京周辺はすっかり秋の気配です。今朝は、最近は空気が澄んできたから部屋の窓から富士山が見えるかなと思って、西の彼方を眺めてみましたが、はい見えた、となるほど大自然は甘くありませんでした。
 さて、先週、Newsのコーナーで予告させて頂いたK'sギャラリーのお話しです。
 Kは、先日、自転車でひっくり返るまで、所有しているARの絵をクローゼットにしまっていて、時々取り出しては、譜面立てに載せて眺めるという楽しみ方をしていました。
 
こんな感じ(作品は、AR's Atelierにも掲載されている、STREET FESTIVAL WITH CHUCHです)。
 
 譜面台は、最近ではミヤマクワガタ並みに珍しいMade in U.S.A.、マンハセットのシンフォニー48(Manhasset, Symphony 48)というものです(新企画:他のグッズとともに、お買い物情報を後日追加させていただく予定です)。支柱の部分は、もちろん最初からこんな状態だったわけではなく、Kが部屋の壁の色に合わせて塗ったものです。最初は、タミヤのスプレー塗料を使ったのですが、早くもうまくも安くも塗れないという、牛丼屋業界だったらとてもやっていけないような結果に終わり、タミヤのアクリル塗料(とても優秀です)で塗り直したわけでした。
 ところで、おおこれはよさそうだ自分もぜひやってみよう、なんて考えた素敵なみなさんのためにひと言付け加えておきますと、シルバーの支柱部分には塗装をしてはいけません。この譜面台の美点のひとつである良好な高低調節機能が台無しになると同時に、あっという間に塗装が剥がれ、心もささくれ立ってしまう危険があります(珍しく、失敗する前に気付きました)。
 
 さて、一見、何の問題もなさそうなこの譜面台システム(システム?)にもいくつか欠点がありまして(本気で数えればきっとたくさんあります)、まず、大きな絵は載せられません。譜面台の横幅は約51cmですので、多少の超過はOKですが、それでも、どんな絵でもどうぞどうぞとダチョウ倶楽部さんのようにはいきません。
 
震度3くらいでよくないことが起こりそう(作品はFACTORY WITH CIGARETTE AD。幅は約91cmです)。
 
 
マンハセット社にこの悩みを解決してあげようという気持ちがあったとは思えませんが、同社の譜面台のラインナップには、M51やM54という横幅80cm超のものがあります。いまあらためて振り返ってみると軽い恐怖に襲われますが、当時のKは、これらを買おうかどうしようか、本気で迷っておりました。今日現在のアマゾンでの値段は、M51が約9500円で、M54は約17700円。当時は円高だったので、いまよりは多少安かったはずですが(現在約7800円のM48は当時約6800円でした)、それでも、こんな二択で迷っていたなんて、とても正気だったとは思えません。この絶体絶命のピンチからKを救い出してくれたのは、クローゼットに2台のM48を片付けたときに天からきこえて来た天使のささやき-2台並ぶとM54に似てるね-でした。

あの声はガブリエル?
 
で、まずは、大枚をはたかずにすんだと大喜びしたのですが、喜んだのもつかの間、深い絶望に陥るかと思いきや、意外なことに、より大きな喜びがKを待ち受けていたのでした。読者諸賢はとうにお気づきのことかと思いますが、絵には縦のディメンジョンもあるのです。線路はつづくよどこまでも~♪の場合、長さのことだけを考えていればよいのですが、巻物タイプでない絵は、横が長くなれば縦も長くなり、そして、ARの絵は巻物タイプではなかったのです。
 
ヤア、コレハコマツタ(イメージ)。
 
 これに気付かないまま買っていたとしたら、Kは心に全治2週間くらいの傷を負い、M54はKがいつか指揮者ごっこをしたくなったときの小道具にまで落ちぶれていた可能性が大でしたので、この発見は、お互いにとってまさに天佑と呼ぶにふさわしいものでした。
 というわけで、大きい絵(だいたい幅が100cmを超えるもの)を譜面台システム(システム??)で飾るのには無理があるということが確定し、それ以来、Kは、大きい絵は、適当な場所(ピアノの上など。←適当か?)に載せるなどして楽しむことにして、それでとくに不満も感じていませんでした。そんな平和な日々が、あの日(=自転車でひっくりかえった日)何の前触れもなく終わりを告げることになったのです(ピクチャーレールの話がひとつも出ないまま、まさかのto be continued !)。
 


 

 

(K's blog/ Diary)【7】夏休みの工作②~iPhoneSEの奇跡~/ Manual training in summer ②~iPhone SE turnes out to be so blessed~

2017/08/21

 

虫好きさん限定付録、「ミンミンゼミを探せ」!
Let's search for an oncotympana maculatictlis, in short, a cicada!

参加賞。
Thank you for participating!
 
みなさん、ご無沙汰しておりました。なんだか梅雨みたいに雨が多い夏ですが、かえるちゃんもうさぎちゃんも笑ってお過ごしですか? さて、かえるちゃんって誰? うさぎちゃんはどこにいるの?という若者世代の疑問はちょっとおいといて、先に予告しておりました、夏休みの工作②です。前回の「①」について、ある読者の方から、ひとつひとつにタコがまるごと1匹入っている豪華なたこ焼きのようだった、という、江戸っ子にいくら首を傾げられようが大阪人としては無条件に嬉しいお褒めの言葉を頂戴したので、がんばらねば、と思ったのもつかの間、2匹目のタコ(別の魚介類だったかも)のことわざ通り、そんな大作にはなりようがないことにすぐ気付いて、どうしよう、と思っているうちに月日が流れ、この季節のひまわりのように日々成長していく期待ハードル(存在しない可能性も蟻)を見上げ続ける日々に疲れて、沈黙にピリオドを打ったKです。
Hi, folks! How're you doing? We've got much rain this summer and the prices of the vegetables are rising, but you can always enjoy K's blog for free.
 
かえるちゃんとうさぎちゃんは、この中にいます。
Why don't you try this CD ?
 
さて、Kがスマホケースの4つの曲面と戦って、客観的にはともかく気分的には大勝利を収めたことは、前回のお涙頂戴記事でお知らせした通りですが、せっかくマスターしたデコパージュの技を使わないのはもったいない、と、果たしてもったいないほどのスキルなのか?という疑問を遠く置き去りにするスピードで決断したKは、苦あれば楽ありのことわざを自ら実現すべく(すでに違うことわざに?)、いろんな平らなもののサイズをはかり始めたのでした。
You might already have heard of K's triumph over the evil 4 curved surfaces of the smart phone case. K was very quick to begin searching for his next and much weaker opponents.  
 

かっこいいけど不合格。
He's cool, but not flat enough.
 
そして、懸賞金50万円のアブダブラゾウガメよりもあっさりと見つかったのが、こちら。
 


これは夢?
Am I dreaming?
 
タイトルがネタバレになってしまっていたのは痛恨のミスでしたが、その痛みをバンドエイドのように優しく和らげてくれそうなぴったり具合(適合するフォトは、葉書サイズです)。
さすがにデコパージュ液を直接塗りつける度胸はなかったので、今回は、スコッチの極薄両面テープを使用して貼り付けました。テープのパッケージには、「はがせる」と自信たっぷりに書いてあったので、Kとしてはそれを頼りにしているのですが、実際に試したわけではないので、もし、わたしもやってみよう!と思った方は、剥がせなくても泣かない(Kに文句も言わない)という確信が持ててからお試し下さい。
 
ところで、賢明なる読者のみなさまの中には、縦のサイズが合っていただけで「ぴったり」と言って喜んでいるKは、元旦並みにオメデタイやつだと思われた方もおられることでしょう。確かにオメデタイのですが、初詣に出かける前にぜひこれをご覧下さい。
 


もしかして……
This...
 
これは、
could

まさに、
be
 
屏風!!
BYOUBU! The Japanese folding screen!!
 
実は、横幅の件は、身近にいるSEユーザーが、私は直貼りはイヤだと言ったため、クリアケースでも試してみる気になって、たまたま発見したことでした。そのため、自分のSEに直貼りする段階で、あまり深く考えずにフィルムを一部カットしてしまっていて、結局のところ、直貼り+ケース貼り(あるいは、ケース貼り×2)をしたとき、葉書サイズフォトで作ったフィルムの横幅が、どの程度SEにぴったりなのかはよく分からないのですが、写真のようなものができあがる程度にはぴったりであるということで、どうぞお許し下さい。
 



天は自ら助くる者を助く。
Heaven helps those who help themselves.
 
(編集後記)
・Mini Shopには並べていませんが、ARKでは、AR作品のフォトも販売しております。L版が100円、葉書サイズは200円で、ARKサイトに掲載している全作品の在庫があります。ご興味がおありの方は、Kまで、どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。
You can purchase the photos of AR's paintings. Feel free to contact K. 
 
夏とももうすぐさよなら。
We'll have to say good by to summer soon.
 

 

 

(K's blog/ Diary)【6】夏休みの工作講座①~神さま、私のレアスマホにもケースを!~/Manual training in summer ①~Let my minor smart phone have its case !~

2017/08/06

 

 ひと月ほど前、Mini Shopの片隅で発売されたARK印のスマホケースでしたが、隠密同心のくせに毎週テレビに出ていた昭和の人気時代劇「大江戸捜査網」の十文字小弥太さんもびっくりの潜伏っぷりで、これまでのセールスはゼロ。売れそうな気配さえ完璧に消している様子です。こうなった原因は、現在日本にいるヒアリの数と同じくらいありそうですが、そんな面倒な詮議はタスクリストの最後尾へと追いやって(新たな原因がまたひとつ)、本日のテーマは、夏休みの楽しい工作です。
Today, K's going to give a lecture on how to make an original smart phone case with AR's painting on it. 
 
 
 Mini shopでスマホケースを見て下さった方の中には、「注文したいけど、私のスマホケースがリストにない……。変な趣味の彼から譲り受けてしまった私が悪いの? いいえ、彼が悪いの!」と悩んでおられた方もおられることと思います。Mini shopの説明にも書かせて頂きましたが、この商品は、外部の業者に製作を委託することになっている関係上、彼らがペイすると判断した機種しかラインナップにないのです。
 You could buy AR-art smart phone cases on the Mini shop. But the line-ups are limited to major smart phones. 
 
 そんな世間の荒波に揉まれて、「この世界にもう私の居場所はないの?……」と思い詰めている可能性がゼロではない、その人のスマホ以上にレアな人を身近に発見したKは、ないのなら作ってみようホトトギス、と思い立ったのでした。
 K came across an AR fan, who did wish to order a smart phone case, but whose smart phone was off the line-up. K decided to make a one-off smart phone case for her.  
 
現場ではこんなに大きくは見えません。
Let there be Adam and a smart phone case.
 
 本業の研究そっちのけで研究にいそしんだ結果、Kが発見・採用した手法は、デコパージュ(decoupage)と呼ばれるものでした。「フランス語やったら『デクパージュ』やんけ!怒るでしかし~」とやすし師匠が突っ込んだかどうかはともかく(多分突っ込んでない)、Kは、なってしまったものは仕方がないと潔く諦めるタイプです(「デコ」レーション+デク「パージュ」→「デコパージュ」鴨)。
 この選択に至る過程では、「のびるラベル」や「エーワン手作りステッカー」など、遥かにお手軽そうな方法も頭をよぎった(実際、買ってもみた)のですが、「KはARK印フォトのクオリティーでスマホケースを作りたかった……」と橋本さとしさんにナレーションしていただくまでもなく、デコパージュ以外には満足のいく出来になりそうな方法を見出すことができず、ふだんのぬるま湯生活を一時中断して、未だ経験したこともない茨の手芸道を歩み始める決心をしたのでした。
 歩み終えた今となっては、いつも何度でも、などと言い出しかねない良い思い出になっているのですが、記憶力に自信はないので、フォトをお買い上げ下さった<人類73億分の4>の選ばれしお客様たちへの感謝の気持ちを込めたアフターサービスとして、また、K自身の備忘録もかねて、ARK印フォトを使ってスマホケースを作る方法をアメリカンな大雑把さでご紹介したいと思います。
 K made the smart phone case by adopting the technique of "decoupage", and is going to show you how the making process was like.   
 
<用意するものリスト/required goods>
・ARK印の高精細フォト/ARK high quality photo
・スマホ用クリアケース/clear case fot the smart phone
・転写液/transfer coat
・両面テープ/double-stick tape
・スポンジ/sponge
・アルミ箔/aluminium foil
・手芸用極細ハサミ/scissors for elaborative crafting
・カッターナイフ/cutter
・カッティングマット/cutting mat
・アルミ定規/aluminium scale
・ポリウレタンニス/polyurethane varnish
・マスキングテープ/masking tape
・アクリル塗料/acrylic paint
・極細筆/thin brush
・折れない心/strong mind
 
[1]転写ステージ/Transferring the image of the photo
 ARK印の高精細フォトの裏面(例えば、対角線上の両隅)にごくごく小さく切った両面テープを貼り、クリアファイルなどの上に固定します。Kの経験によれば、両面テープの面積が大きすぎると、剥がすときにえらく苦労します。また、紙(ケント紙など)の上に固定すると、フォトが紙に貼り付いてしまって、これまた軽く苦労します。
 
 次に、デコパージュ用の転写液をアルミ箔の上に適量出し、スポンジでのばして、固定したフォトに薄く塗っていきます。縦に塗って乾かし、横に塗ってまた乾かし、という作業を数セット繰り返します(スポンジは、セット終了ごとに水洗い)。Kは、良く憶えていませんが(再現時にも数えるのを忘れました)、だいたい3~5セットやっていたような気がします。
 ここで、転写液を節約しようと考えて塗りの回数を減らすと、当然ながらフィルムの層が薄くなって、破れやすくなります。[2]の最終段階以降でフィルムが破れた時の絶望感はかなりのものだと想像されますので(バックアップしてないハードディスクのクラッシュ並み?)、勝負に出ざるを得ない何ものかを背負っている覚えがとくにない方は、転写液を出し惜しみしないことをお勧めします。
  Apply the transfer coat on the surface of the photo by the sponge. First, apply the liquid vertically and let it dry.Then apply horizontally and let it dry. Repeat the process 3 to 5 times. 
 

かすかにスコーン(湖池屋のほう)の香り?
You might sense the smell of that popular snack.


横が先でも何ら問題はないわけです。
You could start either horizontally or vertically.



[2]フィルム作成ステージ/Getting the film of the image
 転写液を塗り終えてよく乾かしたフォトを水に放り込みます。このステージの目的は、水面に涼しげに浮かぶARの絵画を心静かに鑑賞することではなく、フォトに攻撃を加え、画像が転写されたフィルムをゲットするという、かなりの肉食系ステージです。
 
 ARK印のフォトの場合(他の写真でも同じかも知れませんが)、ただ水に放り込んだだけでは、古池や……の風情が幽かに感じられるばかりで、とくに何事も起こりません。裏面の一番上層に、撥水性の裏打ちフィルムが貼られているので、これを剥がさないと、その下の紙の層に水がしみ込まないのです。
 The ARK photos has a laminate-like film on its' back. You need to remove it first.
 
水なんかへっちゃら。
Good at swimming.
 
というわけで、カッターの刃をフォトの平面と平行に少し割り込ませて、裏打ちフィルムの端っこにとっかかりを作ります。
 Insert the blade of the cutter between the layers of the photo.
 
やめて!という声が聞こえてきても気にする必要はありません(幻聴です)。
Do it mercilessly.
 


あとは、そのとっかかりを指でつまんで軽く引っ張りながら、水の中で優しく左右に動かして、裏打ちフィルムを徐々に剥がしていきます。シメ鯖を自分で作ったことのある人は、鯖の薄皮を剥ぐときのあの爽快感を思い出すはず。
 Pinch the film with your fingers and pull it gently to remove. 
 



 
 裏打ちフィルムを剥がしてしまえば、紙の層に徐々に水がしみ込んでふやけてきますので、次は、これを剥がしていきます。どんなやり方でやってもいつかは終わりますが(30分くらい?)、Kは、まず、フランスの農場で、農家のおじさんが巨大な干し草ロールを作っていたのを思い出しながら親指を前後に滑らせてクルクルっと大まかに剥がし(Kが何を言っているのかさっぱり分からくても異常なしです)、それから、愛用のスポンジ(網戸掃除用)の裏面で、残っている層を優しくこすり落としました。さあ終わったと思ったところが中間地点だと思っていただければ、だいたい合っています。
 
 ちなみに、免許取り立ての人の自動車運転と同じで、慣れてきた頃に危機が訪れます。慣れてきた頃というのは、紙の層が取り除かれてフォト(=フィルム)が薄くなってきた頃とほぼ同義ですから、破れる危険はスタート時よりも大です。そこにそれまでと同じ感覚で無遠慮な力を加えると、フィルムが一気に逝ってしまい、この水に溺れて自分も逝ってしまいたい……という灰色の気分に襲われることになります。
 なお、紙の層がちゃんと剥がれていないと、できあがりがでこぼこになって、絵とケースとの一体感が損なわれます。それもまた一興と思えるライオンハートの持ち主以外の方は、最後に残った画像フィルムの裏面をよく指で撫でて、紙の層がすっかりなくなっていることを確認するのがお勧めです。
 それから、これはレアなトラブルだと思いますが、フィルムを水につけたまま長時間放置すると、死んだサンゴのように白化してしまいます。でも、ここで絶望に駆られてフィルムを捨ててしまってはいけません。Kは、ゴミ箱の中のフィルムの色が復活していることに気付いてあわてて取り出しました。『ドグラ・マグラ』の絶世の美少女・モヨ子さんの復活のくだりでも読みながら、しばらく様子を見ることにしましょう。
 Then remove the paper layers from the photo. You need to be careful not to tear the film of the image unless you want to burst into tears.
 
フィルムゲット! なお、丸まっているのが気になるようなら、クリアファイルに貼り付けて乾かしましょう(それでまっすぐになるわけではありませんが)。
Good job !
 
[3]切って貼って切って塗るステージ/Cut, paste, cut, then apply
 近年のスマホの大型化に対する恨みや、手帳型ケースを選ばなかったことについての後悔など、次から次へと登場してくる難敵の数々と終わりの見えない壮絶なバトルを繰り広げるステージです。事実上のラスボスステージ。今年のツールドフランスでいうなら第18ステージのイゾアール峠。フランスつながりでいうなら『シシュポスの神話』(カミュ)。
 なお、Kは未加工のスマホケースをもう持っていないので、ここから先しばらくは、これまでのような稚拙な再現フォトさえありません。みなさんの想像力と忍耐力を逞しく発揮していただくステージでもあります。
 The severest stage. This is where you're expected to show your strong mind ! 
 
 まず、必要に応じて、スマホケースのサイズに合わせ、画像フィルムをカットします。Kが対戦相手に選んだ(というかそういう星の下に生まれた)モトローラG4Plus用のケースは、葉書サイズのフォトで左右がぎりぎり、上下は明らかに足りない状態だったので、この段階では、カットは不要でした(このステージほとんど唯一のラッキー)。
 
 次に、上下が足りないことは一旦忘れて、とりあえず、画像フィルムをケースに貼ります。ケースに転写液(糊の役割も果たします)をスポンジで塗って、その上に画像フィルムを貼り付け、画像フィルムの上から、さらに転写液を塗ります。フィルムの左右の端は生意気にも剥がれてくる傾向があるので、子犬を根気よく躾けるような気分で、マスキングテープ等で固定します(転写液がある程度乾いてからでないと、当然、固定できませんし跡も残ってしまいます)。一度では全部を貼り付けられなくても、この工程を何セットか繰り返せば、徐々に落ち着いてきます。みなさんもどうぞ落ち着いて!
 
 なお、転写液の接着パワーの弱さにガマンできなくなってプラモデル用の接着剤(タミヤセメントなど)を持ち出すのはキケンです(Kの実験によれば、フォトのインクが溶け出す)。じゃあ木工用ボンドはどうだ!、といえば、特に害はなかったような気がしますが、くっついたような気もしませんでした。
 If necessary, cut off the film of the image. If the case is larger than the film of the image, make another film.
  Apply the transfer coat, which works as the glue, on the case and place the film on it. Then apply the transfer coat on the fiml. Repeat the process 3 times or as you like.
 
本業ではとても優秀なひとたち。
They're gifted for the plastic or the wood, but not for the film. 
 
 その次には、さっき一旦忘れておいた上下の空白との対決が待っています。空白が気にならない人は幸い、というイエスの言葉が新約聖書にあったようななかったような(多分なかった)。Kの場合、画像フィルムを仮置きしてみると、上下の空白がどうしても気になったので、もう1枚、画像フィルムをまた一から作る羽目に陥りました(ここでHPがかなり減少)。みなさんは、最初から2枚作っておくと良いと思います(お買い上げ、ありがとうございます)。
 
 そのさらに次に生じる問題は、新しく作った画像フィルムのどの部分をどう使えばいいかということです。Kは、新しい画像フィルムの上下を必要分だけカットした上、上下をひっくり返して貼り付けることにしました。
 If you need to extend the image, cut the both sides of the image off from the reserve film, then paste them upside down by the both sides of the film pasted on the case.
 
絵柄と色の連続性を確保できます(数少ないナイスアイディア)。 
The image looks sequential.
 
  貼り付けプランが決まったら、次は、実際に空白を埋めていく工程です。これは、いま振り返って見れば、なんてことはなかったような気もするのですが、やっている最中は、なんとかなる気がまったくしない暗黒のバトルでした。
 
 最大の敵は、戒壇院の国宝四天王像のごとくケースの東西南北を守護しているあの4つの曲面たち。平面を曲面に貼り付けた時に生じる歪みが、こんなにも人の心を傷つけるなんて……とまったく望んでいなかった意外な発見に襲われながらの悪戦苦闘の果てにKが思いついた方法は、歪んだ部分を指でつまみながら貼っていき、乾いてから、つまんだ部分をハサミでカットするというものでした。カットしすぎて下地が露出してしまったり、つまんだために裾が足りなくなってしまっても、同色のフィルムの小片を貼っておけば大丈夫。大丈夫でないように見えてもきっと大丈夫(←個人の願望です)。
 When you cover the curved surface with the flat film, pinch the surplus part of the film with your fingers and cut the part off after you let the transfer coat dry. 
 
手芸界には、もっとエレガントな解決方法があるのかも知れませんが、このワイルドな方法のおかげで、こんなにエクセレントなハサミと出会えました。
There might be a more elegant and well known solution for pasting something flat on the curved surface. But this rather wild solution let K encounter this most excellent scissors by Hasegawa Hamono. 
 
 最後は、カメラのレンズやヘッドホン端子など、いろいろな事情から設けられている穴をカットしていく工程です。
 小さな穴は爪楊枝などで開けてしまえば良いですが、大きな穴は、カッター等(Kは、タミヤのモデラーズナイフを使用)で切り込みを入れた上で、手芸用の極細ハサミで、穴のラインに沿って不要な部分を切り取ります。
 
 ここで若干問題になるのは、ケースの平面のレベルでカットするか、穴の側面まで、あるいは裏面まで回り込んだところでカットするのかですが、Kは、耐久性の面で一番有利そうだったケースの平面レベルでのカットを選択しました。
 ただし、これをやった場合には、ケースを斜め上から見たとき、穴の側面が、フィルムで覆われていない下地のままの状態で目に入ることになります。これはちょっと気になるので、Kは、穴の側面を周囲の色に合わせたアクリル塗料で塗装しました。
 それから、これは、ケースを引き渡した後に気付いたことなのですが、塗装は、ケースを伏せて置いたときに地面と接する面にも施す必要があります。ケースを使う習慣がないKはうっかり見落としていたのですが、スマホにケースを装着すると、スマホの画面を見たときにこの面と向き合うことになり、ここが下地のままだと、かなり残念な気分になってしまうのです(出張修理させていただく予定です)。
 Then cut the film for the wholes for the headphones and other things. For the smll wholes, you can use a toothpick. For bigger wholes, cut the film a bit with the cutter, then with the scissors. If you should find any uncoverd surface, you can mend it with acrilyc paint.
 
日本の道具はとても優秀。使い手はいろいろ。
K is proud of you, guys.
 
[4]ニス塗りステージ/Applying the varnish
 ツールドフランスならパリ・シャンゼリゼを目指して凱旋する最終ステージ。宮崎駿さん演出の名作アニメ・未来少年コナンなら、モンスリー(吉田理保子さん!)とダイス船長(永井一郎さん!)が結婚したりする最終話「大団円」。これまでの苦労の数々に思いを馳せつつ、ニスを塗り重ねていきましょう。
 
3歳児が描いたと思ってください。
Please kindly refrain from identifying the illustrator.
 
 普通のデコパージュの場合、貼り付け用に転写液を塗ってそれでおしまいにすることも多いようなのですが、ある方のサイトに、転写液で仕上げると、表面が少々べたついて使用感が損なわれるので、仕上げにはポリウレタンヴァーニッシュを塗ると良いというアドバイスがありましたので、それに従いました。
 
 当初は、ジョソーニャ(Jo Sogna)のサテンヴァーニッシュ(半ツヤ)を購入して使ってみたのですが、これはツヤが抑えられすぎていて、せっかくのARの絵の魅力が伝わらないように思ったので、BBのポリウレタンヴァーニッシュ(グロス)を買い直しました。
 ちなみに、「ヴァーニッシュ(varnish)」は、なんか格好いい名前ですが、ニスのことです。年齢がやや高めのみなさんは、「ワニス」という言葉を聞いた記憶がおありなのでは? <「ヴァーニッシュ」→「ワニス」→もう「ニス」でええんとちゃう?>と順調に進化を遂げてきたようです(次は「ス」?)。
 
 ニスを何回塗り重ねるかはお好み次第ですが、Kは、塗って乾かす工程を10数回繰り返しました。ニスの層が厚くなるに従って、絵が立体的に見えてくるような気がしたからです。もしかして気のせい?という不安がよぎったときは、「少なくともキズには強くなっているはず……」と小さな声でつぶやけば、さらに先へと進む勇気が湧いてきますが、きっとどこかから先はやり過ぎです(自戒を込めて)。
 
 完成品はこちら。
Now you're on the victory drive. Apply the gross varnish on the surface of the film, then let it dry. K repeated the process more than 10 times, since the more you apply the varnish, the more attractive the image looks. 
 



世界が平和とARのアートで満たされますように。
May peace and AR's art prevail on earth. 
 
(編集後記)
・大雑把に説明するといっていた割には、ずいぶんと長くなってしまいました。
 Q:これがあの有名なOMOTENASHIですか?
 A:いいえただの無駄口です。
・ところでスマホケースを発売したのはいつのこと?とK's blogのバックナンバーを手繰ってみて、ARKサイトでは発売をアナウンスしていなかったことに気付きました。あー、だから売れなかったのね、とは申しませんが。 
・次回は、「夏休みの工作②~iPhoneSEの奇跡~」です。どうぞお楽しみに!  
 K's diary No.7 is "Manual training in summer ②~iPhone SE turnes out to be so blessed~". Don't miss it !

 

 

(K's blog/ Diary)【5】大阪/Osaka

2017/07/26

 

 
 2,3日ほど前まで、Kは、大阪の両親のところに行っていました。東京では自宅に引きこもりがちなKですが、大阪では、足が自然に外へと向かいます。今回は、天王寺をスタートして新世界を経由し、道頓堀へと至るたこ焼きウォークを実施したのですが、4連敗。ネット情報がおかしいのか、Kの味覚がおかしいのか、両方なのか、あるいは、いずれでもないのか、よく分かりませんが、悔し紛れに写真をたくさん撮ってきました。
 
Several days ago, K was in Osaka at his parents'. K's very willing to go out in Osaka. This time, K took a long walk starting from Tennouji via Shinsekai to Dotonbori to eat Takoyaki, one of the soul foods of Osaka, at different Takoyaki stands. To K's regret, K couln't find any good stand, but took a lot of photos.
 

新世界の串カツ屋。大阪人はあまり行かないという話も(Kも未経験)。
Kushikatsu restourant in Shinsekai, the New World. The travellers loves it so much.

グリコ。
The famous ad sigh of Glico.

 Sさんは、ARのTIMES SQUARE WITH LION KINGを見て新宿を連想したと言っておられましたが(→Contact usにあるメッセージボードの5番目の投稿)、Kも、今回、大阪の街を歩きながら、あちこちでAR作品を思い起こさせるような光景を目にしました。
  Kは、AR作品の重要な構成要素は、大都市の秩序を象徴するかのように整然と立ち並ぶ建物群の裏側に広がる、不定形で曖昧で、少し不気味だけれど人を惹きつけずにはおかない仄暗い闇の世界だと思うのですが、大阪は、その濃度がかなり高めです。
 
Miss S said that AR's TIMES SQUARE WITH LION KING reminds her of Shinjuku station. K also remembered AR's paintings many times while walking in Osaka. In K's opinion, one of the important factors of AR's art is the dim world beneath the orderly-looking cityscapes, and Osaka is a fertile land of it. 
 
MAIN STREET AT NIGHT IN THE RAINの景色に似ている?
Resembles MAIN STREET AT NIGHT IN THE RAIN a bit?  
 
 Kは、この濃度は、福岡あたりでいちばん髙いのではないかと予想しているのですが、その根拠は、Kが、AR作品と夢野久作先生の作品群との間に、同じ魅力を感じていることです。いつか確かめてみたいものです。
 
K presumes that Fukuoka is even more fertile, for K finds something in common between AR's art and the novels of Kyuusaku Yumeno. 
 
とりあえずは大分。別府タワーは、通天閣と兄弟です(他にも兄弟多数)。通天閣には定休日はありませんが、別府タワーにはあります(びっくり!)。
In Oita, which is south to Fukuoka. Beppu tower was designed by Dr. Naito, who also designed Tsuutenkaku in Osaka.
 
ごく一部の人たちの間で大阪の守護神だと信じられているラーメン屋のドラゴン。
A few people believe that this dragon of a rahmen restaurant is the guardian of Osaka.
 
どこを撮った写真か分かったら、かなりの道頓堀通(つう)。
If you could identify the place, you should be the master of Dotonbori.
 

 

 

【4】(K's blog, Diary)リアルマーケット・デビュー/ARK making its real- market debut

2017/07/10

 

 去る7月8日、ARKは、念願のリアルマーケット・デビュー@池袋サンシャインシティーを果たしました。Mini shopの商品がいまだにひとつも売れないのは、ショップの存在がほとんど認知されていないからに違いない、という仮説に基づいて、何もかも家の中ですませられたらいいなと思っていた閉じこもりがちのKが、外の世界に果敢に飛び出したわけでした。
 July 8th, ARK made its real-market debut at "Ikebukuro Sunshine City". K decided to go out to the real world thinking that ARK wouldn't be able to sell anything unless it's known to much more people. 
 

会場は、ショッピングビル、アルパの屋上。かっこいい店構え。
The place was on the roof floor of ALPA, a shopping building. A cool set up!
 
怖くてかわいいHeadの数々。初めて見る日本の景色にびっくり。
The eerie but kawaii Heads. Being surprised at the cityscape of Japan. 
 
お手伝いを引き受けてくれたSさんとMくん(←名前のイニシャルです!)。
Mrs. S and Mr. M who kindly helped K.

受付を済ませ、定刻の9時30分には準備万端整って、お客様が押し寄せてきても大丈夫な状態になったのですが……
 At 9:30, we were well prepared for the flood of people, but...
 

ちょっと様子がへん……。
Something seems wrong.
 
店員もいなくなった。
And then there were none.
 
いつでも写真撮影ができる贅沢を満喫(左がKです)。
Taking advantage of the freedom to take photos(K is on the left). 
 
そもそも、お客さんがかなり少なかったのですが(聞くところによると、近所で大きなイベント&別のフリマが開催されていたとか)、お客さんの興味も、服やアクセサリーなどの実用品にあったようでした。
There were not many visitors there, and among the small number of the visitors, there seemed to be even small number of people who were looking for the art.  
 
犬も遊びに来てました。
A dog was enjoying the market.
 
誰もいなくてもへっちゃら。
No fear of the theft or robbery.
 
午後になって風が強くなってきたのでタープテントを撤去。Mくんの帽子はとてもおしゃれです。Headも全員そろって元気です!
In the afternoon, the wind began to blow and the tarp tent was removes. Mr. M has a very nice hat. The Heads are all there and fine! 
 
高精細フォト(100円)を、プラモ製作用に購入したものの結局使わなくなったルーペで拡大するという素晴らしいアイディア。覗いて下さったみなさんは、ARの絵の色使いの多彩さに驚いていらっしゃいました。
The shop visitors were so impressed by the vivid color of AR's painting.
 

ついに、奥の手を(Mくんは、そっちの方のプロなのです)。
Pulled out a wild card, free consultation about the real estate registration. Mr. M is a professional.
 
Kも参戦(あまり熱心ではありませんが、いちおうプロです)。
Anothe wild card. K is a criminal law professional.
 
で、何も売れないまま1時半近くになって、ちょっと早いけど2時になったら店を畳もうか、と話していたところへ、女神降臨! この方はARのアートに興味をもってくださっている方だ、と一瞬で分かる熱いまなざし。うかがったところでは、デザイン関係のお仕事をなさっているそうで、"TIMES SQUARE WITH LION KING"と"QUEENS BILLIARDS"のフォトをお買い上げ下さいました。ARKの記念すべき初セールスです! ARも、初日に売れるなんてすごい、とほめてくれました("News"の記事もぜひご覧下さい)。
And it was around 1:30, when the Goddess of art descended to our shop looking at the photos very curiously. She was in the design business and purchased 2 photos, "TIMES SQUARE WITH LION KING" and "QUEENS BILLIARDS". The momorial ARK first sales. AR was surprised and praised us for selling on the first day out.  
 
これで思い残すことは何もない、と高校球児のようにさわやかに会場を後にした一行は、KとAR作品との出会いの地である西荻窪を目指し、これまたKが30年前に通っていた居酒屋「戎」で、ビルの谷間から差してくる西日を浴びながら、高校球児には許されない黄金の液体を堪能したのでした(SさんとMくん。Kはウーロン茶)。
We left Ikebukuro for Nishi-Ogikubo, where K met AR's art for the first time and enjoyed beer, oolong tea, and Yakitori at the traditional Japanese tavern, "Ebisu". 
 
今回の反省:フリマにはARKのライバルはいませんが、味方もあんまりいないかんじでした。次回は、けちけちせずにアートマーケットを目指そうと思います。乞うご期待!
Today's lesson. We'd better participate in a market focusing on art even though the fee is 10 times more expensive. 
 
帰りのエスカレーター。
An escalator on our way to Ikebukuro station.
 
池袋自体が閑散としていたわけではなかったようです。
K thought that there weren't many people in Ikebukuro on that day for some reason, but that was not correct. 
 

 

 

【3】エピソードと映画/The episodes and the film

2017/06/29

 

 
 みなさま、こんばんは。きょうはどんな一日でしたか? もしかしたら、みなさんにとって、いまは清々しい朝のひとときかも知れませんが、K的には深夜ですのでこんな始まり方で失礼します。静岡銘菓うなぎパイと同様、いつ読んでいただいても味は変わりません。
 さて、少々唐突ですが、AR作のこのマグカップの絵、いかがでしょう?



Kは、隅から隅まで大好きなのですが、とくに把手のあたりの表現に惹かれます。

では、この車の絵は?



フォルム的には車の限界ぎりぎりで、色もまったく実車に忠実ではないと思うのですが、かっこいい車にしか見えないのが不思議です。

そして、ぜひご覧頂きたいのが、この"S"です。



Kは、これより魅力的な"S"には、いまだお目にかかったことがありません(個人の感想です)。
 と、ここまでがまんして読んで下さった方の中には、すでにお気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが(せめておひとりくらいは……)、これらは全部、このサイトのトップページにあるTIMES SQUARE WITH LION KINGの部分です(さきほど、クローゼットから引っ張り出してきて撮影しました)。ARは、AR's atelierの中で、この絵を"epic film"(長編映画)に喩えていますが、実際のところ、この絵は、上に切り取ったような多くの魅力的なエピソードから成り立っています。ARの絵の多くがそうなのですが、どんな小さな部分にも、小さいながらも密度の濃い物語がちりばめられていて、Kはそれらを追って、つい、時の経つのを忘れてしまいます。みなさんにも同じようにARの作品を楽しんでいただけたらなぁ、と思うのです。





 
  Hi, folks. How are you today?
  By the way, how do you like this mug cup painting? K loves every part of it, particularly its handle.
  Then, how about this car? The form is barely car-like and the colors are probably not very real, but it is nothing but a car which is very cool.
  And what K would like to show you most passionately is this "S". K has never seen such an attaractive and amazing "S".
  Some of you might have noticed something. Those paintings are all parts of the TIMES SQUARE WITH LION KING located on the top page of this website. In the "AR's atelier", AR describes this painting as an epic-film. It really is true. This painting consists of those charming and amazing episodes. It is almost always the case with AR's paintings that any tiny part of it has a short, but incredibly dense stories, which K love to follow dreamingly losing track of time. K wish that you would love and enjoy AR's art in the same way.              
 

 

 

【2】絵の重力/The gravity of the paintings

2017/06/21

 

 海外の有名な美術館、例えば、ルーブル美術館なんかに行くと、さすがは本場(←ひどいまとめ方ですね)、著名な画家たちの名作が、これでもかこれでもかと、わんこそばみたいに次から次へと目の前に現れます。よく言われることですが、ひとつひとつの作品に真面目に向き合っていたら、とても一日では見きれません。Kは、いつも閑散としている古代エジプトコーナーや宝石のコーナーがお気に入りなのですが、それはともかく、Kは、以前、どこかの美術館で、あまりの絵の多さに苦しんでいたとき、ふと、ある方法を発見しました。それは、まず遠くから見て、もし惹かれたら近づいて見る、という、卵を手に持っている乱暴者の前では言いたくないような、何のひねりもない方法でした。多くの人は、日常生活のいろいろな場面でこの方法を採用していると思うのですが(例えば、デパ地下での試食)、不思議と、美術館では、一番手前の絵にいきなり近づいて、そのままかぶりつきで平行移動していく人が多いようです。それももちろんひとつの見方だと思うのですが、Kは、自分の場合は、それでは、無駄が多いと気付いて、上のような方法を採るようになったわけです。おもしろいことに、遠くから見て惹かれる絵は、それに近づくとさらに惹かれ、そうでない絵に念のために近づたりすると、たいていは、あぁ、やっぱり、と思います。絵にも、星と同じように、重力があるのかも知れません。
 Kは、ARの絵を買う前に、彼のサイトを見て、その作品を隅から隅までチェックしました。特に念入りに確かめたのは、PCのモニターに映った作品が、モニターから離れたときにどう見えるか、ということでした。その結果どうなったのかは、みなさんご存知の通りです。みなさんも、よかったらちょっと試してみませんか?
 
 The major museums abroad, the Louvre for example, has a vast colleciton of masterpieces which you can't see them all in a day or two. One day in a museum, K found a way to identify the paintings that he should spend time and see. Look at the paintings in the room at a distance, and if you're allured by any of them, that's the one(s). If you're allured at a distance, you'd be even more allured when you get closer. The paintings, like the stars, may have their own gravity.
 K checked the AR's paintings shown on his websites very closely before deciding to buy them. What K studied most carefully was, of course, how the paintings looked on the PC monitor when seeen from a distance. You all know the consequences. Why don't you try it yourself ? 

 

 

【1】光について/Light

2017/06/17

 

 Kが最初に買い求めたARのオリジナル絵画は、"GOING HOME"、"SHE REMEMBERED"という2つの小作品でした。プリント作品はすでにもっていたのですが、オリジナルははじめででしたので、まずは小作品で様子を見ようという、剛気さのかけらも感じられない作戦を立てたわけです。届いた封筒を開けてすぐ、大鉱脈を発見した気分になったことは、About usのページに書いた通りなのですが、その後しばらくして、おもしろいことに気付きました。光の加減で、1枚の絵がいろいろな表情を見せてくれるのです。朝、昼、夜でちがうのはもちろんですが、昼でも、ちょっと日がかげったりすると、さっきまで見えていた色が背後に退いて、違う色が浮かび上がってきたりする。パリのオランジュリー美術館のモネの「睡蓮」の間では、モネが見たのと同じように、自然光の下で「睡蓮」を観賞できるようになっていますが、あれを思い出しました。
 それからというもの、絵を持って部屋の中をうろうろ。夜になれば、照明(Zライトという便利なものがあります)の角度をいろいろに変えてうろうろ。子供の頃、オーディオに凝って、レコードプレーヤーのアームの高さを1mm単位で変えたり、針圧を0.1g単位で調節して(この人、何の話をしているの?と思った若者のみなさんは、お父さんに訊くか,反抗期ならネットで調べてみよう)一喜一憂していたものですが、まさか油絵で同じような楽しみ方ができるとは。
 こんな風に書くと、以上のお話しは、別にARさんの絵でなくても、油絵全般に当てはまることなのではないですか?という冷静極まりないツッコミを頂戴しそうですが(そもそも、こんな文章、読んで下さる人がいるのでしょうか?)、なぜそんなことまでついやってしまったのか、が重要ポイントです。あれは、カルロス・クライバーのベートーベンだったからこそ、そして、今回も、ARの絵だったからこそ、とKは思っているのです。

 The fiest two AR original paintings K got were "GOING HOME" and "SHE REMEMBERED". Soon after opening the package, K noticed something interesting. The painting have different faces, In the morning, in the daytime, in the evening and at night. When the sun hides behind the cloud, the painting shows different colors to K. K remembered Monet's "Les Nympheas at the Orangerie Museum, where you can see the painting under the natural light. That was more than K had expected.