-地下鉄入り口の二人連れ- 1996年、60cm×90cm、カンヴァス・油彩。
 私がこれまでの人生の大部分を過ごした場所にほど近い地下鉄駅(ハウストン通りとラファイエット通りが交差するあたりのIND線の駅)の入り口には、しょっちゅう人がたむろして物乞いをしていました。あるとき、私は、そこでこの二人の若者を見かけ、そのどこか風変わりな組み合わせに注意を惹かれました。私は、その場で急いで彼らを見ずに、あるいは、別の場所に移動して記憶を頼りに、どちらだったのかよく思い出せないのですが、ともかく、スケッチを仕上げました。小さなスケッチ帳(このときは、10cm×15cm)をこっそりと持ち歩いていれば、ニューヨーク市内でも、相手に悟られずにスケッチできるのです。