プールハスラー 1993年、60cm×90cm、プライウッド・油彩。
 私は、美術学校でフレッド・シュバックという名の学生に出会い、すぐに友だちになりました。彼はどういうわけか、プール(ポケットがある台でする玉突き)が抜群に上手でした。プールホールに通っては、名のあるプレーヤーを打ち負かしていましたが、彼は、お金のためにではなく、対戦相手の顔に表れる表情を見たくて、そんなことをしていたのです。彼の外見は、プールができる人のようには見えませんでしたし、また、できないふりもしていました。彼は、プールやビリヤード(ポケットがない台でする玉突き)の絵をよく描いていましたが、私は、それを描きませんでした。その分野は、彼だけのものにしておきたかったからです。でも、彼は、1991年にこの世を去ってしまいました。1993年、私は、彼に捧げるためにこの絵を描いたのですが、それ以来、まるで堰を切ったかのようにプールの作品が次々と生まれ、私はプールの画家として知られるようになったのです。